Google のデータセンター設計について書かれた "The Datacenter as a Computer" の 2nd Edition が無料公開され、PDF で読むことができる。世間にとっては最新の技術かもしれないが、Google にとっては 2年前の技術ということかもしれない。ちなみに 4年前の初版は、『Google クラウドの核心』という翻訳になっている。

- 作者: ルイス・アンドレ・バロッソ、ウルス・ヘルツル,丸山不二夫、首藤一幸、浦本直彦,高嶋優子、徳弘太郎
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 59回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
PCサーバを超大規模に並べる WarehouseScale Computers のコンセプトを打ち出す。そこではデータセンター自体を一つの大きなコンピュータとしてみなして、そのアーキテクチャ設計を説明する。特にそのエネルギー効率にこの本の特徴はあるが、今回の版ではパブリック・クラウドがより普及してきたことを背景に、WSC のソフトウェアシステムやソフトウェア開発者向けの内容が強化されたとのこと。そして初版では扱っていなかったストレージシステム、WSC 相互接続が加筆されている。
ざっと見たところ、今回の版で加筆されたストレージのところでは、
- Google の最新のファイルシステム Colossus(GFS の次)
- NoSQL DB / キーバリューストア / 列指向 DB である Bigtable や Amazon Dynamo のさらに次世代となる分散データベース MegaStore や Google の Spanner
- インメモリ分散データストア StanfordRAM(1サーバあたり 100万 lookup)
- NAND Flash ベースの FAWN-KV
について言及している。
関連エントリ
- 2008.4.7:『Google を支える技術』は大規模分散システムのガイドブックである
- クラウド・コンピューティング
- コンピュータ・サイエンス、IT