「みんなのミュシャ」展から少し足を伸ばして、山種美術館の「Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 ―未来をになう日本画新世代―」展に行く。
「青い日記帳」で紹介されているように、45歳以下の若手の日本画家たちのガチンコのコンテストである。
受賞作を含む入選44作品は、189の応募の中から厳しい審査を勝ち抜いたとあって、どれも見応えのあるものばかりである。
今回の展覧会もそうだし、「院展」などに行って、多くの「日本画」を一斉に眺めてみると、改めて「日本画の魅力って何だろう?」「そもそも日本画とは何だろう?」と考える。日本画とは明治以降に成立した概念である。1870年代に西洋の美術が日本に入ってくることにより、「洋画」の対比としての「日本画」という概念が成立した。フェロノサが Japanese Painting という言葉を使い、その翻訳が「日本画」である。
現代の日本の画家たちによる絵は、主題・モチーフ・様式といった点で、何が「洋画」と異なるのだろう?様式という点でいえば、奥行き感の少ない平面的な視点であったり、陰影がなかったり、日本画らしい一端が感じられる絵はあるものの、それが一般的というわけでもない。あえて言えば画材・絵具の違いくらいしか、その境界線が見つからないような気がしてしまう。一方、日本人の手による、というところで、その主題の選び方・モチーフに対する共通理解があるので、観る側が親しみやすさを感じるのは確かである。東山魁夷の絵などはその典型と言えるだろう。
日本画の技法・歴史については、下記の本などを参考に勉強中である:
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カラー版-日本画の歴史 近代篇-狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで (中公新書)
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カラー版-日本画の歴史 現代篇-アヴァンギャルド、戦争画から21世紀の新潮流まで (中公新書)
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