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「マティス 自由なフォルム」展(国立新美術館)

国立新美術館で開催されている展覧会「マティス 自由なフォルム」に出かける。

フォービズムで有名な20世紀の巨匠マティスは、後半生をフランスのニースで過ごした。今回の展覧会には、ニース市美術館のマティスのコレクションが出品されている。

matisse2024.jp

Web サイトから展覧会のみどころを引用する:

マティスが晩年、精力的に取り組んだ切り紙絵に焦点を当てた展覧会は日本初。マティスが長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現に迫ります。

マティスがその60年以上におよぶ創造の歩みにおいて、熟慮と試行を重ねた末に到達したのは、アシスタントに色を塗ってもらった紙をハサミで切り抜き、それらを組み合わせて活き活きとした構図に仕立てあげる切り紙絵でした。色紙をハサミで切り取ることで色彩表現とデッサンを同時に行うことができたのです。筆とカンヴァスの代わりにこの「ハサミでデッサンする」手法で、自由自在に色とかたちを生み出し、そのキャリアの絶頂期を迎えたのです。

ニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える切り紙絵の大作《花と果実》が、修復を経て、初来日している。その大きさは 410cm x 870cm。5枚のキャンバスがつながって構成されている。4枚の花びら、ないしは 3つの果実による形態が基本単位となり、それぞれが反復されて画面が作られている。

マティス《花と果実》1952-53年

展覧会のもう一つの目玉は、ニース郊外のヴァンスに建つロザリオ礼拝堂の再現展示である。ロザリオ礼拝堂は、最晩年のマティスが切り紙絵を応用し、建築の室内装飾や司祭服をデザインした、マティス芸術の集大成である。展覧会では、この礼拝堂で過ごす一日を体感できる空間が再現されている。

晩年のマティスは、切り紙絵の手法をさまざまな分野に応用、タペストリーや舞台装置などを手がけていたが、人生の総決算となるような仕事としてやりたかったのが建築分野での制作だった。

今回の展覧会のガイドブックが出ている。

国立新美術館の前には《禁断の果実》というインスタレーションがある。

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