渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ --- 線の魔術」展に出かける。
2017年に開催された「ミュシャ展」は、ベルエポックを代表するアルフォンス・ミュシャが、パリからチェコに帰国して以降、晩年に至るまでに描かれた壮大な《スラヴ叙事詩》全20作品に圧倒された展覧会であった。
今回はアールヌーボーの旗手であり、人気ポスター画家として「みんなに愛された」ミュシャの展覧会であると同時に、副題にある通り、ミュシャが後世に与えた影響を示す展覧会でもある。ミュシャがポスター画家として衝撃のデビューを果たした、サラ・ベルナール主演の《ジスモンダ》のポスターをはじめ、円形の装飾を背景に美しい女性を描いた、華やかで品のあるミュシャのポスターを多数観ることができる。
そしてミュシャが与えた影響は、1960年代以降のアメリカのグラフィック・アート、ロック音楽のレコード・ジャケット、アメコミに見ることができる。
さらに日本だと、天野喜孝のイラストや山岸凉子らの漫画。展覧会では、天野喜孝の「ミュシャの描いたファンタジーの世界に触発されて、現実の世界ではなく、想像の世界、神話性のある世界というものを描きたいと思いました。例えば美しい女性、それを取り巻く様々な魔物とか、モンスターとか、あるいは妖精も」、山岸凉子の「マンガは手塚治虫先生が作ったものですが、その中で少女マンガには、日本のデザイン黎明期にミュシャが与えた影響が色濃く出ていると思う」という言葉が紹介されている。
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美しい絵を見た後は、なぜかプチ贅沢してみたくなり、東急本店にあるシェ松尾でランチ。