Muranaga's View

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特別展「正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美」(東京国立博物館)

久しぶりに好天の週末、上野に出かける。まずは開館直後の東京国立博物館(トーハク)、特別展「正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美」へ。9:30 に当日券を買い、40分ほど並んで入場する。

毎年奈良博で開催される「正倉院展」ではなく、天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物を中心とした飛鳥・奈良時代の造形文化に焦点を当てた特別展である。正倉院宝物も展示されるが、東京国立博物館法隆寺献納宝物をともに展示される。その見どころについては、トーハクのサイト「1089ブログ」にて詳しく紹介されているので、参考にされたい。

artexhibition.jp

www.tnm.jp

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聖武天皇崩御後、光明皇后東大寺の大仏に天皇が愛した品々を献納したが、その数 600点以上。15m にもわたる目録に圧倒される。美しい鏡、染織物(遊牧民によるフェルトの敷物が意外)、香木が展示される中、ひときわ目を引いたのは琵琶、「螺鈿紫檀五絃琵琶」であった。螺鈿による美しい模様、細かな装飾。現物とともに、8年かけて完成した復元模造品も展示されている(作品リスト)。

展覧会の最後には、実物大で再現された正倉院の宝庫の一部があり、そのスケールの大きさを実感することができる。

正倉院宝物は、唐の宝物、あるいはシルクロードを渡ってきた西方の宝物だと思っていたが、NHK の特集番組によれば、9,000点もの宝物のうち 9割方は実は日本で作られたものだということが、最近の科学調査でわかってきたらしい。聖武天皇がその権力・権威を示すために、日本の職人を集めて作らせた宝物。唐の工芸技術を、模倣しながら学んでいったという。琵琶や鏡に見られる精巧な螺鈿などの技術。1,300年を経てなお色褪せない宝物の素晴らしさを改めて感じ入る。