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東京ミッドタウンでの美術鑑賞「虫めづる日本の人々」展、そしてランチ(サントリー美術館)

10時の開館時刻にサントリー美術館に行き、美術鑑賞後、11時に開館する東京ミッドタウンのレストランでランチ、というのが、ちょっとした定番の休日の過ごし方である。

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サントリー美術館では「虫めづる日本の人々」という展覧会が開催されている。展覧会のサイトから、その概要を引用する。

日本美術の特色のひとつとして、草木花鳥が古来大事にされてきたことが挙げられます。そして、それらと比較すると小さな存在ではあるものの、虫もまた重要なモチーフでした。現代において昆虫と分類されるものだけでなく、例えば、蜘蛛、蛙、蛇などの、うごめく小さな生き物たちも虫として親しまれ、物語や和歌、様々な美術作品に登場します。特に蛍や、鈴虫などの鳴く虫は愛好され、深く物語と結びついていた様子が源氏絵や伊勢絵などから伝わってきます。また、草花や虫を描き吉祥を表す草虫図が中国からもたらされ、中世から長く日本で珍重され、多くの絵師たちにも影響を与えました。

江戸時代に入ってからは、本草学の進展や、古画学習、俳諧などの文芸の影響を受けて、草虫図という範疇には収まらない多彩な虫の絵が生み出されます。そして、江戸時代中期以降には、虫聴や蛍狩が娯楽として市井の人々に広まり、やがて江戸の年中行事となりました。この文化は近代、現代においても受け継がれています。日本の虫めづる文化は、長きにわたって育まれてきましたが、大衆化が進んだ江戸時代をピークのひとつとすることは出来るでしょう。

そこで、本展では特に江戸時代に焦点をあて、中世や近現代の「虫めづる日本の人々」の様相に触れつつ、虫と人との親密な関係を改めて見つめ直します。


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なかなかマニアックなテーマに焦点を当てた展覧会である。江戸時代、虫の音に耳を澄ませる虫聴、夕暮れ時に蛍を追う蛍狩は、市井の人々に親しまれる風雅な娯楽だったと言う。

そして徳川吉宗が洋書の輸入制限を緩和し、全国的な動植物の調査を行った。この政策の影響もあり、大名、旗本が中心となり、優れた博物図譜が制作されている。そうした本草学の図譜が精緻に描かれる一方で、酒井抱一、鈴木其一らが描く絵は、やはり美しく目を引くものがある。今回は展示されていなかったが、展示替えで伊藤若冲の《菜蟲譜》(重要文化財)も登場する予定である。

展覧会の最後、満田晴穂による自在置物の精巧さ・精緻さには舌を巻く。作家の Web サイトには、さまざまな昆虫の自在置物が「標本箱」として提示されている。

東京ミッドタウンのランチでは、HARBS のランチサービスを頼むことが多い。パスタ、サラダ、ハーフサイズのケーキ、コーヒーがセットになっている。ここのミルクレープのファンなのである。わざわざ「今日のランチサービスのケーキ」を確認してから、店内に入ることもある。