Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

英国食文化の歴史を辿る「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」(SOMPO美術館)

学術資料としての精緻な写実性と、美しい芸術性が共存するボタニカル・アートが好きである。SOMPO美術館で開催されている「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」展は、英国キュー王立植物園の食用となる植物を描いたボタニカル・アートを通して、英国の食文化の歴史を辿る展覧会となっている。

www.sompo-museum.org

17世紀の大航海時代、珍しい植物を追い求めたプラント・ハンターたちの周辺で多くのボタニカル・アートが描かれた。今回の展覧会は、食用の植物ということで、野菜、果実、茶、コーヒー、チョコレート(カカオ)、砂糖(サトウキビ)、アルコール、ハーブやスパイスが描かれた作品が展示されている(出品リスト PDF)。

さらに古いレシピや当時のティーセットや食卓の様子の再現展示を通して、英国人がさまざまな植物を食していった変遷を感じることができる。

18世紀末から19世紀初頭のティー・セッティング

アーツ・アンド・クラフツ運動の時代の喫茶文化

ヴィクトリア朝のダイニング・テーブル・セッティング

最後は美術館所蔵のセザンヌりんごとナプキン》。

セザンヌりんごとナプキン》(1879-80年)

展覧会をみた後は、雨の高速を運転して、両親の家に向かう。施設に入居している母とは 5分だけ面会、車がない父のためにさまざまな買い物をする。植物が好きな父は、マンションに住んでいた時にベランダを植栽でいっぱいにしていたが、田舎の一戸建てに引っ越すことで、庭を持つことができた。その庭には、花が綺麗に咲いている。収穫したミカンをありがたくいただく。

単独の休日でもあったし、雨であった影響もあるだろう、高速道路の渋滞もなく、スムースに往復することができた。