Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

懐かしい友人の顔

日経ビジネス 2006.5.29 号」に懐かしい友人の顔を見つけた。PalmSource 買収後の、ACCESS社のグローバルなソフトウェア開発組織に関する記事の中に、新しい仲間と一緒に写る鎌田副社長の姿があった。彼とは大学の教養学部時代、同じクラスだった。

鎌田氏は学生のときに 荒川社長と共に ACCESS 社を創業、当時は LOGO を使ったタートルグラフィックスの会社で、bit という雑誌(休刊中) に記事を連載していたのを覚えている。その後、組込み系ソフトウェアの開発に転換、TCP/IP のような通信プロトコルスタックや、Web ブラウザ などの基本ソフトの独自開発を行い、情報機器メーカーや携帯電話メーカーにライセンスするという事業に成功している。当時から自分たちが作ったソフトウェアを、ありとあらゆる情報家電に載せるという夢を持っていたようだが、その実現に向けて、PalmSource 買収はグローバルなソフトウェア開発体制を整えたということだろう。

日本で基本ソフトの事業に取り組む際に、ACCESS社の組込みシステムの基本ソフトにフォーカスした戦略は、当然の選択だったと思う。PalmSource 買収により、米国の基本ソフト開発(人材・スキル・手法など)を取り入れていくことになる。それは結局、先進的な基本ソフトウェア製品の開発は、「日本発」だけでは難しいということを示唆しているのかもしれない。それはソフト技術者として、ずっと感じ続けてきたことなのだけれども…。