Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

友人の写真展、久しぶりのすみだ北斎美術館

両国・国技館の前のギャラリーで開かれている友人の写真展に立ち寄る。『バリの息吹』という写真集で、ガムランの舞踊をはじめ、ヒンドゥー教の冠婚葬祭など、信仰と結びついたバリの人々の生活を紹介するほど、バリ島の王族との交流が深い方であるが、今回はチェキの二重露光機能を使って、バリの風景を重ね撮りして、クリエイティブな作品を作り上げている。

小野隆彦 写真展『バリの残像』

instax.jp

実際にチェキで二重露光の写真を撮ってもらうと同時に、現地での撮影の話を伺うことができた。軽い気持ちで手にしたチェキだが、思いがけず面白い写真が撮れて、夢中になってしまったとのこと。見ているほうからすると、この写真は何と何を重ねたものだろうか、と想像力を働かせることになる。とても興味深い写真展であった。

せっかく両国に来たので、久しぶりにすみだ北斎美術館を訪ねる。以前来たのは開館直後だったから、もう 6年も前になる。

企画展「北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―」で江戸時代の本(「板本」)の世界を学ぶ。

葛飾北斎は本の挿絵をたくさん描いたり、絵手本を残したりしているが、浮世絵のもともとの起源は板本で、絵のみが独立したとも言われている。展覧会の Web サイトから概要紹介を引用する:

浮世絵と聞くと、「冨嶽三十六景」のような一枚の紙に摺られた木版画がイメージされます。もともとそうした一枚摺の木版画は、板木に文字や挿絵を彫って摺ったものを本に仕立てた「板本(はんぽん)※」から、次第に絵のみが独立したともいわれます。 浮世絵師・葛飾北斎は、板本にも絵を描いています。物語の挿絵であったり、自らの絵を集めた絵手本(えでほん)であったりと、たくさんの板本を出版しました。北斎絵手本の代表作として知られる『北斎漫画』には、江戸時代の板本を読む人々が描かれています。人々がくつろぎながら読みふけって楽しむ様子は現在と変わりません。本展では、このような板本に注目し、その魅力を紹介します。

同じ版木からさまざまなバージョンの本が作られており、バージョンによっては薄墨の摺りが省かれていたりする。版本に残された書き込みには、単にその本の感想を記したものだけでなく、「この貸し本屋は高い」といった書き込みまであり、江戸時代の読書事情の一端が偲ばれる。

展覧会の内容について、美術館ナビの記事が詳しい。

artexhibition.jp

同時開催の企画展「隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画」では、北斎肉筆の中でも最長といわれる 7m もの図巻が複製画で展示されている。北斎漫画のレプリカも展示されていて、絵手本を手に取って読むことができる。

葛飾北斎《遊女図》 高精細複製画(原画 フリーア美術館所蔵)

葛飾北斎《鍋冠祭図》高精細複製画(原画 フリーア美術館所蔵)

両国に来たならば、江戸東京博物館にも行きたくなるが、老朽化に伴う大規模改修工事中であり、全館休館中である。そのため駐車場も閉鎖中。

そこで収容台数の多いタイムズ国際ファッションセンターという機械式駐車場に、車を止めた。ここは同じ敷地内にある第一ホテル両国の提携駐車場でもあり、そこでランチを食べると駐車料金が割引になる。たまたま入ったホテルのレストランであったが、前菜・スープ・メイン・デザート・飲み物すべてで 1,600円となかなかコストパフォーマンスのよいランチであった。

この日は 3連休の初日とあってか、都心に向かう首都高横羽線湾岸線が事故で渋滞。川崎大師の入り口まで、ちょっとした裏道を使いつつ、渋滞を回避。何度も千葉県へゴルフに行っている成果である。

途中「ドライブレコーダーの撮影ができない。販売店に相談を」と警告音が鳴った。警告音は一時的なもので、エンジンをかけ直すと直ったが、念のため帰りにディーラーに立ち寄る。1ヶ月後の 12ヶ月点検の際に対応することとなった。