Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

愛車をディーラーで修理している間に、村上春樹の短編集を読む

ディーラーでの車の修理の待ち時間は、読書タイムでもある。セルフサービスでエスプレッソ系のコーヒーが飲めて、ちょっとしたカフェにいる気分。読書に疲れたら、展示車を眺めるのもいい。

そんな日曜日の午後に読み始めたのは、文庫化された村上春樹の短編集『一人称単数』。村上春樹の小説を読むのは実に久しぶり。改めてその緻密な描写に心を動かされる自分がいる。この本の最後に、書き下ろしで収められた「一人称単数」という作品のタイトルが、短編集全体のモチーフになっているように思う。そしてこの短編集に収められた 8つの物語は、すべて村上春樹自身の体験をもとにしたものだという気がする。

多くが自伝的な要素を含んだ作品で、70歳を超えた作家が人生を振り返り、その読者である僕も確実に歳をとっている。読み進むうちに、いやが上でも自分の老いを認識させられ、人生に終わりがあることを意識せざるを得ない。そんな風に立ち止まって考えさせられる物語もあれば、「ヤクルト・スワローズ詩集」という、思わず笑ってしまう軽妙なエッセイのような作品もある。今の若い人には信じられないかもしれないが、かつてのヤクルト・スワローズは本当に弱小チームで、そのファンならではの悲哀が伝わってくる。

さて今回の愛車レヴォーグの修理は、ソフトウェアの書き換えである。通信制御ユニットと、レヴォーグ特有の大画面インフォメーションシステムの2つのソフトウェア(OS は Linux だと推定している)の書き換えで、何だかんだと 2時間くらいかかったが、そのおかげで 8割がた本を読み進めることができた。

もともとソフトウェア技術者で、この手の組込みシステムのリアルタイム制御の難しさを理解しているので、今回のような品質問題について少し鷹揚なところがある。もちろん致命的なバグは最優先で修正してもらわなくては困るが、細かなバグをつぶし切るのは難しいし、こういうアップデートがあるのは仕方ないと思っている。テスラと違って、ディーラーに来ないとアップデートできない訳だが、貴重な読書時間が確保できたくらいに考えている。

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iPhone とインフォメーションシステムとは Apple CarPlay で接続されるが、ピーピーという音が鳴る時が 2、3回あり、それについては対応アップデートがあったようだ。それに加えて、3日前にカーナビで自車位置が取れなくなるエラーを経験していたので、それについても確認してもらった。

2月23日、親の家から帰宅する時に、関越の三芳 PA を出てしばらくした後に、自車位置がずれているのに気づいた。そしてそのずれが少しづつ大きくなっていく。自車位置を正しく地図上にマッピングすることができなくなり、GPS 信号を捕捉できていないのか、ナビゲーションも途中で止まってしまった。自宅に着く頃には 4-5km 自車位置と現在位置がずれて地図に表示されていた。途中、エンジンをかけ直してシステムをリブートしても修正されず、結局、自宅に着いてから手で自車位置を修正した。

こんな現象は初めてでびっくりした。因みにこの間、アイサイトは正常に動いていた。このエラーについては、今回のソフトウェア・アップデートを行った結果、また再現するかしばらく様子を見ることとなった。直っていますように!

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ディーラーには新型クロストレックが展示されている。アイサイトのカメラユニットが進化して、スバルとしては初めて自車を上から見るトップビュー(360度アラウンド)が実現されている。レヴォーグも D型と呼ばれるビッグ・マイナーチェンジを控えており、この機能が搭載されることが期待されるのだが、営業マンに聞いてみたところ、まだそういう情報は来ていないとのことだった。

前後左右、上から、斜めから、とさまざまな角度から合成映像が見られるようで、新型クロストレックでは、カメラ切り替えのスイッチが、センターコンソールの助手席側から運転席側に移動し、電動パーキングブレーキのスイッチの横に来ている。またシートヒーターの温度上げ下げが、物理スイッチでできるようになるなど、細かなところで利便性が向上している。ステアリングヒーターもオプション装着できる。

レヴォーグ登場時には、AVH(オートヴィークルホールド)の物理ボタンがセンターコンソールからなくなり、一部のユーザの間では不評だったが、新型クロストレックでは大型ディスプレイのショートカットでアクセスでき、ソフトボタンをトップ画面に持ってこられるよう改良されている。そういう視点で、レヴォーグの画面と新型クロストレックの画面を注意深く比べてみると、微妙に違っていて見慣れないソフトボタンが追加されている。

こういう細かな改良も含めて、レヴォーグの D型 がどうなっているのか、確認してみたくなった。今年のビッグマイナー・チェンジが楽しみである。

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