Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

箱根の美術館巡り:ポーラ美術館を満喫する

先週に引き続き、箱根へ小旅行。今回は美術館巡りが主な目的である。初日はポーラ美術館箱根ラリック美術館。そして友人がよく利用している御籠もり宿に泊まり、2日目は岡田美術館を訪ねる。

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ちょうどランチタイムにポーラ美術館に着いたので、さっそくレストラン・アレイへ。スイカをイメージしたノンアルコールカクテルの付いたワンプレート・ランチをいただく。そしてモネの《ジヴェルニーの積みわら》をモチーフにしたケーキ(モンブラン)も。

モネ《ジヴェルニーの積みわら》1884年

企画展は「フィリップ・パレーノ この場所、あの空」。Web サイトから、フィリップ・パレーノがどういう人かを引用する:

現代のフランス美術を代表するフィリップ・パレーノは、今日最も注目されるアーティストの一人です。映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど作品は多岐にわたりますが、その意識は常に、現実/フィクション/仮想の境界、あるいは実物と人工物との間に生じる乖離、その奇妙なずれへと向けられています。また、芸術や「作者性」の概念にも疑問を投げかけ、数多くのアーティスト、建築家、音楽家と共同で作品を生みだしてきました。

パレーノはAIをはじめとする先進的な科学技術を作品に採り入れながらも、ピアノやランプ、ブラインドやバルーンといった見慣れたオブジェを操り、ダイナミズムと沈黙、ユーモアと批評性が交錯する詩的な状況を生みだします。展覧会そのものをメディアとして捉えるパレーノが構築する空間は、まるでシンボルの迷宮のようです。何者かの気配、声、光、暗闇、隠されたメッセージ――慎重に演出された、ドラマティックな構成に導かれ、大規模な舞台装置のような会場に足を踏み入れる私たちは、まるで演者のように、新鮮な驚きとともに混乱をともなう体験の中へと身を投じることになるでしょう。それは一時の夢、旅、あるいは作家が言う映画のようなものかもしれません。パレーノの展示は、芸術はどのように体験されるべきか、そして体験されうるかという問いを私たちに投げかけています。

国内最大規模の個展となるポーラ美術館での展覧会では、作家の代表作である映像作品《マリリン》(2012年)※をはじめ、初期作品から初公開のインスタレーションまで、作家の幅広い実践を多面的にご紹介いたします。

一番最初の展示になる《私の部屋は金魚鉢》が楽しかった。

フィリップ・パレーノ《私の部屋は金魚鉢》2018年

そしてポーラ美術館の魅力は、豊富な西洋美術作品を所蔵していることである。コレクション展として「印象派からリヒターまで」「20世紀の絵画とガラス工芸」が開催されている。それらをゆっくり見てまわるだけでも、豊かな気持ちになる。

印象派については、ある意味、美術の教科書に掲載されるような典型的な作品が並んでいる。

ルノワール《レースの帽子の少女》1891年

ハマスホイ《陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》1899年

セザンヌ《砂糖壺、梨とテーブルクロス》1893-94年

モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年

モネ《国会議事堂、バラ色のシンフォニー》1900年

モネ《睡蓮》1907年

モネ《睡蓮の池》1899年

ルソー《エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望》1896-98年

アール・ヌーヴォーのガラス工芸として、ドーム兄弟エミール・ガレ、ルイス・C.ティファニーの作品が展示されている。

エミール・ガレ《アザミ文花器》1884年

エミール・ガレ《ケシ文花器》1900年頃

ポーラ美術館には館外を巡る遊歩道が整備されている。木陰で涼しい風を感じながらの森林浴。