大倉孫兵衛(1843-1921)はもともと輸出用の陶磁器の事業経営で有名である。日本陶器合名会社を興し、それは現在のノリタケカンパニーへつながっている。この製陶事業から派生したのが、日本ガイシや TOTO である。そして製陶業の経営者となる前、幕末から明治時代にかけて、大倉孫兵衛は錦絵の版元を営み、錦絵を海外に向けて輸出した。この展覧会では、その画帖が惜しみなく公開されている。目がチカチカするくらいの鮮やかな色使いの明治・錦絵である。
白、シルバー、黒、グレー、青といったさまざまな色の車が展示されており、STI Sport には各種エアロパーツ・パッケージが装着されている。自分の好みのエクステリアの実車を確認できるという訳だ。
個人的に一番確認したかったのは、STI Sport のインテリア。ボルドーと言われるワインレッドと黒のツートンカラーのシートの色である。カタログで見たワインレッドはかなり明るい色で「少し若者向きかな?」と思っていたのだが、実際の室内で目に映る色は明るさが抑えられており、思ったより「大人の上質感」を演出しているように感じた。写真に撮ると、カメラの露出の関係で、実際の色より明るく見える。
僕にとって V60 のよさは上質なデザインの車を所有するステータス感、というところに集約されるかもしれない(要するに見栄)。一方、レヴォーグは先進性能の車を運転する楽しさ。もちろん値段も違う車なので、同じ土俵に上げて比較するものではないと思う。それでもあえて、僕個人としては比較対象になっている V60 T5 Inscription と新型レヴォーグ STI Sport を、細かく比べてみると…。
V60 の内装はすっきりとシンプルで落ち着いている。ドリフト・ウッドのパネルもよい。内装の色(椅子の革の色)も豊富なバリエーションから選択できる。一方、レヴォーグの内装色は選べず、黒一択である。STI Sport に至っては、ボルドー(ワインレッド)という特徴的な色のみ。この色を上質と思うかどうかは好みが分かれると思う。同じスバルでもレガシィ アウトバックのように、革の色(白、茶色、黒)を選ぶことができるようになるとよいのだが。
レヴォーグ STI Sport の電子制御ダンパーには興味がある。路面の凹凸をどのようにいなすのか。シーンに合わせてドライブモードを切り替え、ダンパー、AWD、ステアリング、エアコンなどの制御を変えられるのは楽しそうである。一方、ボルボ V60 の場合、Four C アクティブシャーシというオプションを選択することで、電子ショックアブソーバーが導入されて、ドライブモードを切り替えることができる。
STI Sport という最上級グレードでは、電子制御ダンパーが装備されている。そしてこのダンパーのみならず、AWD、ステアリング、エアコンに至るまでを細かく制御、ドライバーの好みやシーンに合わせた Comfort / Normal / Sport / Sport+ とドライブモードの切替えを行うことができる。