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レヴォーグ STI Sport の「キャラ変」をさらに強化:サスペンションの挙動を変えるソフトウェア・アップデートが提供される

愛車レヴォーグ STI Sport は、車の「キャラ変」をソフトウェア制御で実現しており、ドライバーの嗜好や運転状況に合わせて、Comfort / Normal / Sport / Sport+ の 4つのドライブ・モードを選択できる。このドライブ・モードは、パワーユニット、ステアリング、サスペンション、AWD、アイサイト、エアコンの制御の組み合わせで構成されている。

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僕は家族を乗せて走ることが多いので、しなやかなサスペンションで、パワーユニットの加速も緩やかな Comfort をベースとしつつも、ステアリングは切れ味よく Normal に、エアコンも Normal に設定した Individual モードで走ることが多い。レヴォーグの場合、Comfort とは言いつつも十分スポーティーな走りである。

そして一人でゴルフに行く際は、アクセルワークにダイレクトに反応して、ピッチやロールを抑えた硬いサスペンションの Sport / Sport+ を選択する時もある。ワゴンでありながら、スポーツカーのような運転を楽しむことができる。

ドライブモードについては、購入当初、次のように書いていた

  • ドライブ・モード切替え:
    • Comfort モードは、穏やかな走り。ステアリングは軽く、サスペンションもしなやか。旧型にはなかった快適な乗り心地を実現しており、家族を乗せる時にぴったりである。。
    • Normal / Sport が、旧型のような乗り心地に近い。
    • Sport+ はスポーツカーのような特性になる。
    • 自分向けの Individual 設定は、Comfort をベースに、ステアリングとエアコンを Normal に設定することにした。
  • 電子制御ダンパー(サスペンション):
    • 道路の凹凸の吸収は素晴らしい。特に Comfort モードでは、凹凸やマンホールをしなやかに乗り越えていく。
    • Comfort モードでは、道路のざらつき感も抑えられている。路面に吸い付くような乗り心地で、個人的には最も気に入っているモードである。
    • Normal / Sport モードが、旧型のサスペンションに近い。ロードノイズも拾うようになる。
    • Sport+ モードでは、硬い乗り心地になる。減衰が大きくなり、路面状況がダイレクトに伝わるようになる。
  • 2ピニオンの電動ステアリング:
    • とても滑らかで、かつダイレクトに操舵している感がある。
    • Comfort モードでのステアリング・フィールは軽い。
    • 逆に Sport+ モードだと重くなり、ハンドル操作がそのままダイレクトに車の挙動につながる。

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そしてこの度、電子制御のサスペンション、ダンパーの減衰を制御するソフトウェアをアップデートする有償サービスがリリースされた。その名も Active Damper e-Tune。サスペンションは、Comfort / Normal / Sport の3段階で設定ができるが、Comfort はより Comfort に、Sport はより Sport に制御を変えるという代物である。

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商品紹介サイトには、車の挙動がどう変わるのか、ドライバーの試乗レポートとともに、開発者が技術的な解説を行う動画が掲載されている。このソフトウェア商品を理解してもらうには、動画による説明が最適ということなのだろう。商品内容を紹介するべく、動画に出てくるプレゼンテーション資料をいくつか引用する:

Comfort はより Comfort に、Sport+ はより Sport+ に、乗り心地のダイナミック・レンジを増やすことで、ドライブ・モードの選択肢による挙動変化がわかりやすくなると考えられる。

路面をセンシングしながら、電子制御ダンパーは1秒間に500回程度、弁の開閉により減衰力を変化させる。車が段差を乗り越える時に、前輪・後輪の電子制御ダンパーの減衰力を変えることにより、車体への突き上げを緩めているイメージが、次のような図で説明されている:

Web に上がっている試乗レポートや動画もいくつか紹介する:

www.goo-net.com carview.yahoo.co.jp

元レーサーの五味康孝さんの試乗動画は、スバリストのためのレポートと言ってもいいだろう:


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河口まなぶさんの試乗動画では、運転席だけでなく後席での乗り心地の変化もレポートしている:


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竹岡圭さんはスバルの開発者を助手席に乗せてレポートしている。「初代レヴォーグから乗り換えた人は、Sport+ のまま乗っている(いわゆるスポーツカーの乗り味をワゴンに求めている)。一方、他メーカーから乗り換えた人は Comfort を愛用している」と開発者の方は語っていて、セグメント化したユーザの声から、そのニーズを商品に活かしていることがわかる。ちなみに僕は初代レヴォーグから乗り換えた一人だが、Comfort を愛用している。ちょっと特殊なユーザなのかもしれない。


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藤島知子さんのレポートは、僕のように Comfort モードを愛用している人間には参考になる:


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レヴォーグ STI Sport を購入して 2年あまり、ちょっと飽きが来る頃に、こういう商品を投入してきたか…。同じハードウェアでありながら、全く別の車にキャラ変できるソフトウェア。元技術者の心をくすぐる商品である。ソフトウェアの価格は 33,880円、工賃の数千円と合わせると約 4万円になる。

型落ちした Stealth ドライバーと同じような値段だなぁ。ドライバーは「飛距離」という感性(幻想とも言う)に訴える商品。 e-Tune もユーザの「感性」に訴えるという意味では、同じような商品である。先端技術(カーボンとか電子制御とか)をうまくマーケティングして、消費者の心に響かせるいう意味でも、同類かもしれない。

e-Tune を施すと、ダンパーをイメージしたエンブレムが付く。とは言え、ディーラー点検などの機会に、家族に内緒で e-Tune しても、わからないんじゃないかな? e-Tune が気に入らなければ、元に戻すことも可能であるらしい。

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