師走初日の土曜日。何となく都内に向かう首都高速は空いている気がする。今日は東京ミッドタウンに車をとめて、展覧会を巡る。
まずは先週に引き続き、国立新美術館へ。先週「東山魁夷展」を訪れた時には時間がなくて行けなかった「ピエール・ボナール展」を訪ねる。印象派の少しあと、日本の浮世絵の影響を受けて立ち上げられた「ナビ派」の一員。その後、独自の世界を確立した。その色使い、構図が独特である。「よく破綻しないなー」と思う。自分の好みではないものの、不思議な魅力を湛えた絵である。
次にサントリー美術館の「扇の国、日本」展。扇・扇子は、英語で folding fans。実は日本で生まれたものである。10世紀には中国に渡り、明代には日明貿易の輸出品であった。携行できる扇は貴賤を問わず普及し、江戸時代には、扇は絵師・工房にとって重要な収入源となっていたようだ。狩野派、土佐派をはじめ、あらゆる流派の絵師が扇の絵を描き、それを売る商売が成立していた。
展覧会の合間に、ミッドタウンでランチ。最近の定番は HARBS のランチサービス。ここはもともとミルクレープなどの大きなケーキで有名なカフェだが、実はランチサービスのコスト・パフォーマンスがいい。パスタ、サラダ、ハーフケーキ、飲み物で 1,600円ジャスト(洋麺屋五右衛門並みのお値段)。しかも量がたっぷり。展覧会巡りでお腹が空いた時にはちょうどよい。HARBS はもともと名古屋の喫茶店文化から生まれたカフェだと思われるが(沿革)、お洒落に進化して、六本木ヒルズのお店にはいつも行列ができている。ここ東京ミッドタウンの HARBS は、できてから日がまだ浅いせいか、あるいは僕が午前中に来ているせいか、わりと空いていてオススメである。
…と、展覧会よりもカフェに関する報告になってしまいました。