（株）東芝に 34年 4ヶ月勤めた後、5年前に子会社に移って、その経営の一端を担っている。還暦も過ぎ、東芝グループでの仕事もそろそろ終了するというこのタイミングで、東芝が TOB（公開買付）により、非上場となる。持株会に入っていたし、さらに経営幹部は「株を持て」と言われていたので、結構な数の株式を持っている。経営企画部にいたこともあり、一時期、売却にはロックがかかっている状態であったが、8月8日に開始された TOB に応じることで手放すことになる。
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TOB 価格で売却したとしても、ほとんどキャピタルゲインが得られないのは、ここ10年の経営の迷走によるものだ。とはいえ、企業価値を増やすことができなかったのは、おそらく自分にも責任の一端はあるのだろう。結局は「自業自得」ということなのだろうなぁ。そう思いながら、東芝株非公開化の Web サイトのガイドにしたがって、TOB に応じる手続きを開始した。
大きく 3つのステップを踏むことになる：
SMBC日興証券の Webサイトにあるように、全部で 2週間程度かかるプロセスなので、早めに行った方がよい。もちろんこの手続きが面倒であれば、TOB 価格よりは低くなるが、時価で売却してしまうというのも手であろう（ただし TOB に反対する勢力に買われてしまうリスクはあるらしい）。
僕の場合、コロナ罹患の中、手続きを進めてきた。ステップ 1 の SMBC日興証券への口座開設自体は、スマホで即日できる。しかし株式移設に必要な「加入者口座コード」の発行に数日かかる。このコードがないと、ステップ 2 に必要な書類の記入ができないのだ。
ステップ 2 は、僕の場合、現在東芝株を保有している野村證券に電話して、必要な書類「特定口座移管帳票」の PDF版をメールで送付してもらった。これをプリントアウトし、「加入者口座コード」と移管する株式数を記入して、野村證券に郵送する。
TOB 開始は 8月8日 であったが、僕の場合、その前に「株主へのお知らせ」を受け取っていたので、8月6日に SMBC日興証券に口座を開設した。加入者口座コードが発行されたのが 8月11日、同日、野村證券に書類を郵送した。8月18日時点で電話で状況を確認したところ、お盆だったこともあるのだろう、書類が受理されたのが 8月17日。そして実際の株式移管が終了するのは、8月25日過ぎになると言う。ステップ 3 はその後に行うことになる。やれやれ。
8月23日。ようやく株主宛に「公開買付け開始に関するお知らせ」なる文書が郵送されてきた。TOB 開始が 8月8日。「2週間も経って、何を今さら」という気がするが、信託銀行や証券会社もてんてこ舞いなのかもしれない。
公開買い付け期間最終日は 9月20日。そして東芝株を保有している方々は高齢者が多い。そして高齢者はスマホでの口座開設が許されていない。窓口に直接足を運ぶ必要がある。オンラインでも 2週間あるいはそれ以上かかるプロセスだが、TOB 期間までに無事終了させられるのだろうか？
こんな状況で、TOB は成立するのだろうか？
追記（2023年8月25日）：株式移管が行われ、TOB（公開買付）を申し込む
8月24日。野村證券の口座から、東芝株が表示されなくなった。SMBC日興証券の口座には表示されないので、問い合わせると「システムの都合で翌朝になる」とのこと。
8月25日。SMBC日興証券の口座に、東芝株が移管されたことが確認できた。さっそくステップ 3、TOB（公開買付）を申し込む。77ページもの「公開買付説明書」に目を通し、了解することが前提となる。無事、「公開買付」の注文処理が終了、「公開買付 注文約定」として表示されるようになった。
ここまでの経緯をまとめると：
- SMBC日興証券に口座を開設する
- 8月6日：日興証券口座開設
- 8月11日：加入者口座コードが発行される
- 現在、東芝株を保有している証券会社から、SMBC日興証券の口座に、株式を移管する
- 8月11日：野村證券へ書類を郵送
- 8月17日：書類受理
- 8月25日：株式移管完了
- SMBC日興証券に、公開買付応募を申し込む
- 8月25日：TOB（公開買付）を申し込む（注文する）
お盆休みをはさんだこともあって、2週間以上、手続きにかかっている。こんな状況において、果たして TOB は成立するのだろうか？
