Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

Apple Music Classical 楽しい!

Apple Music Classical がリリースされて、1週間。

Apple Music Classical

Apple Music Classical

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  • ミュージック
  • 無料
apps.apple.com

プレスリリースでは以下の機能が謳われている:

  • 世界最大級のクラシック音楽のカタログを誇り、最新リリースから著名な名作まで、500万以上の楽曲がそろっています。
  • 作曲家、作品名、指揮者、楽器、時代、オーケストラや合唱団で検索して、特定のレコーディングをすぐに見つけることができます。 クラシック音楽のためにデザインされたインターフェイスと、完全で正確なメタデータにより、ユーザーはどの作品の誰の演奏なのかを知ることができます。
  • 最高のオーディオ品質(最大192kHz/24ビットのハイレゾロスレス)、また数千ものレコーディングを臨場感あふれる空間オーディオで提供します。
  • 数千にも及ぶレコーディングを限定配信します。
  • 洞察に満ちた作曲家のバイオグラフィや何千もの主要作品の解説を含む、何千もの文章を用意しています。

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広大なクラシックの森の中を気ままに散歩して、いろんな発見をする感じで、楽しく遊んでいる。

Apple Music Classical で「英雄」ポロネーズを聴く

今日は、ショパンの「英雄」ポロネーズを、若手・中堅・巨匠・レジェンドと、さまざまなピアニストの演奏で聴き比べてみた。Apple Music Classical 専用に配信されている藤田真央そ最初に聴いたのをきっかけに、ポリーニアシュケナージキーシン、ラン・ラン、ダン・タイ・ソンなど、果てはホロヴィッツまで。

音の粒立ち、鳴らし方、響かせ方、ペダリングのコントロール、テンポ・リズムを変えてのグルーヴ感…。勇壮なものもあれば、美しさを強調する演奏もあり、同じ曲でも解釈が全然違うのを、改めて実感した。「英雄」ポロネーズという独特のリズム・構成の曲だからこそ、さまざまな演奏があり得るのかもしれない。

Apple Music Classical 独自プレイリストの中にも面白いものがある。演奏家(アーティスト)がセレクトした曲集はもちろんのこと、たとえば「サントリーホール定期演奏会を開く日本のオーケストラのライブ録音集」なんてのもある。「ワークス(The Works)」は、最新アルバムからのセレクション。きっと新たな出会いがあるに違いない。

Apple Music Classical で唯一気になっているのは、Apple Music(音楽アプリ)のライブラリとの同期が不完全なこと。新しいものは問題ないのだが、古いライブラリの一部が Classical に同期されていない。CD から取り込んだアルバムの多くが同期されていない気がする。まぁ、ふだん使う分には支障がない。ちょっと気持ちが悪いというだけである。

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川瀬巴水、吉田博、小原古邨…。好きな画家が勢揃いした「新版画の沁みる風景 ―川瀬巴水から笠松紫浪まで」展(川崎浮世絵ギャラリー)

会社帰りに寄り道して、川崎駅近くの川崎浮世絵ギャラリーで開催されている展覧会「新版画の沁みる風景 ―川瀬巴水から笠松紫浪まで」を観る。

大正から昭和にかけての「新版画」90点あまりが展示されている。大好きな川瀬巴水吉田博の風景画や、小原古邨花鳥画を、20-30cm まで顔を近づけて、じっくり観る。もともと浮世絵は手に取って楽しむものだから、それと同じ距離感で見られるのが嬉しい。

摺りの状態も素晴らしいものばかり。たとえば川瀬巴水の光と水、雪の表現を間近に眺めることができる。絵具を乗せずに版木で紙に凹凸をつけた「空摺り」による立体感も、よくわかる。

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最初期の高橋松亭の版画が 1909年頃。ということは、欧州ではキュビスムという実験が始まっていたころである。

その後、川瀬巴水を筆頭に、笠松紫浪、土屋光逸、石渡江逸(川瀬巴水の弟子、地元・横浜の風景版画が多い)と継承されていった日本の新版画は、絵画という芸術性というだけでなく「工芸的な側面もあるなぁ」と思う。木版画という表現法の中で、どれだけ写実性を高めるか。そしてそこに日本らしい抒情性が表現されるのか。そんなことを考えていた。

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川﨑浮世絵ギャラリー入口

それにしても、川﨑駅のすぐ近くにこんな浮世絵ギャラリーがあったとは知らなかった。このビルの高層階の飲食店には何度も行ったことがあるのに。

「斎藤文雄コレクション」と名づけられているが、もともと政治家であり浮世絵コレクターであった斎藤文雄氏が、自宅を改造して私立の美術館として開館していた。高齢のため閉館。その後、コレクションを川崎市に無償貸与することで、今の形になっているらしい。

ukiyo-e.gallery www.townnews.co.jp

西方寺の蝋梅が見ごろを迎えている

ゴルフ練習場のすぐ近くに、花の寺・西方寺があり、蝋梅が見ごろを迎えている。ゴルフスクールを終え、バンカー練習場が空くのを待つ 30分の間に行ってみた。

saihouji-yokohama.com

花手水も美しい。

西方寺の花たち

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やっと長谷川等伯《松林図屏風》に会えた(東京国立博物館)

本阿弥光悦中尊寺金色堂の特別展を見た後は、トーハクの常設展へ。

国宝室にて、ようやく長谷川等伯《松林図屏風》に会うことができた。2022年の「国宝 東京国立博物館のすべて」の時には、展示替えで見ることができなかったのだ。

長谷川等伯《松林図屏風》(安土桃山時代、16世紀)

さまざまな筆を使って、迷いなく一気に描いている。墨のグラデーションによって、光の強弱を表わして、霧に包まれた松林を生み出している。

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すべてが国宝!美しい仏像に間近で会える 建立900年 特別展「中尊寺金色堂」(東京国立博物館)

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」を見た後、早めの昼食を取り、建立900年 特別展「中尊寺金色堂」に向かう。11:30 過ぎ。2時間前より若干行列は短くなっており、10数分並んで展覧会場に入ることができた。当然、中はかなりの混雑である。

muranaga.hatenablog.com chusonji2024.jp

奥州藤原氏、清衡が 900年前に建立した中尊寺金色堂は、極楽浄土を表わしている。金堂内には3つの須弥壇が設けられており、中央壇内部の棺に眠っているとされるのは、藤原清衡。この中央壇に安置される国宝の仏像 11体すべてを展示している。

京の一流仏師によるものと思われる像は、どれも端正で美しい。それを間近に見られる機会は、もうないかもしれない。

金色堂の装飾する華鬘(けまん)、金銀の泥字で一行おきに記された中尊寺教。これらもすべて国宝となっている。

8K の 3次元CG による金堂およびその内部の映像は、幅 7m の大型スクリーンにより原寸大で表示される。貴重な文化財の記録により、まるでそこに行ったかのような体験ができる。

縮尺 1/5 の金色堂模型のみが、写真撮影可能となっていた。昭和の大修理の際に得られたデータに基づいて製作されている。

本阿弥光悦よりも、こちらの展覧会が人気があるのもむべなるかな。

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」でその多才を知る(東京国立博物館)

冬の暖かい土曜日。ゴルフに行くか悩んだが、今回は展覧会巡りを優先した。東京国立博物館(トーハク)で、特別展「本阿弥光悦の大宇宙」と、建立900年 特別展「中尊寺金色堂」が開かれている。

koetsu2024.jp chusonji2024.jp

こちらは本阿弥光悦(平成館)の方をまず観ようと開館直後の 9:30 過ぎに行ったのだが、中尊寺の方が人気が高く、本館の前には入場するのに長い列ができていた。考えてみれば、そうかもしれない。日本史で本阿弥光悦の名前よりも奥州藤原氏中尊寺の方が印象に残っている気がする。中尊寺金色堂は、以前訪問したことがあることもあり、個人的には本阿弥光悦を最初に見る気になっていた。

本阿弥光悦は、俵屋宗達とともに、のちに「琳派」と呼ばれる流派の画家たちが私淑して、「琳派」の創始者として位置づけられるというのが、僕の乏しい理解であり、展覧会はその実像を知るよい機会だろうと考えていた。

Webサイト・チラシから、展覧会の趣旨を引用する:

本阿弥光悦(ほんあみこうえつ・1558~1637)は戦乱の時代に生き、さまざまな造形にかかわり、革新的で傑出した品々を生み出しました。それらは後代の日本文化に大きな影響を与えています。しかし光悦の世界は大宇宙(マクロコスモス)のごとく深淵で、その全体像をたどることは容易ではありません。

そこでこの展覧会では、光悦自身の手による書や作陶にあらわれた内面世界と、同じ信仰のもとに参集した工匠たちがかかわった蒔絵など同時代の社会状況に応答した造形とを結び付ける糸として、本阿弥家の信仰とともに、当時の法華町衆の社会についても注目します。造形の世界の最新研究と信仰のあり様とを照らしあわせることで、総合的に光悦を見通そうとするものです。

「一生涯へつらい候事至てきらひの人」で「異風者」(『本阿弥行状記』)といわれた光悦が、篤い信仰のもと確固とした精神に裏打ちされた美意識によって作り上げた諸芸の優品の数々は、現代において私たちの目にどのように映るのか。本展を通じて紹介いたします。

本阿弥光悦は、刀剣鑑定の家に生まれ、自身も優れた目利きであり、将軍家や大名たちに一目置かれた。その一方で、法華宗の信仰のもと、京都の町衆(裕福な商工業者)の一員として、ネットワークを築いていた。そして書の名人というだけでなく、漆芸や陶芸など、さまざまな造形に関わり、今でいうマルチ・クリエイター的な存在であったようだ。

Web サイトに下記のネットワーク図が掲載されている:

展覧会の冒頭に、国宝《舟橋蒔絵硯箱》が展示されている。チラシの左上のものだ。金の地に鉛の黒。膨張した形。文房具としての常識を逸脱した姿だったと言う。

書の世界は、僕にはよくわからないが、太いところと細いところをバランスよく書き分けていたり、最初は楷書で書かれているのに、だんだんと行書・草書と流麗になっていく巻物が多く、興味深かった。素人目にも味わいのある字だと感じた。

俵屋宗達が下絵を描き、そこに本阿弥光悦が和歌を「散らし書き」した《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は、なかなかの圧巻であった。飛び立った鶴が、しばらく空を舞い、また地上に戻ってくる。その下絵に呼応するように和歌が記されている。上のチラシの下部がそれである。

陶芸、なかでも光悦茶碗は、樂家2代・常慶とその子道入との交遊のなかで茶碗制作を行なったと言われている。

光悦芸術を代表する4つの作品の、8K 映像が写真撮影可能であった。

  • 刀 金象嵌銘 江磨上 光徳(花押)(名物 北野江)
  • 国宝 舟橋蒔絵 硯箱
  • 蓮華絵 百人一首和歌巻断簡
  • 黒楽茶碗 銘 村雲

音声ガイドを担当した中谷美紀さんのトークセッションの映像が YouTube に上がっている。


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6回目のコロナワクチン接種、副反応は微熱と倦怠感、左腕の痛みで済んだ

コロナ罹患から 4ヶ月あまり。免疫もなくなったと思われるので、6回目のワクチン(ファイザー)を接種した。5回目から 1年以上が過ぎている。

今までの経験から、12-15時間後に悪寒・発熱が始まると予想。そこで休みを取って朝 9時に接種、その日は用事を済ませて、夜の就寝時に副反応を迎えるという算段である。

新横浜でワクチン接種後は、いつものジョギングコースを、ゆっくり歩いて帰宅。

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みなとみらいホールでの前橋汀子さんのコンサートに行く。終わった後は、そのまま車で恵比寿の病院まで義母を迎えに行き、二子玉川で夕食。デザートにアンリシャルパンティエのザッハ・トルテとフルーツ・タルトを買って帰る。

www.henri-charpentier.com

いつもより少し早めの 9時間後に倦怠感を感じたので、帰宅したらそのまま就寝、夜寝ている間に悪寒・発熱というパターンとなった。夜中、37度を超えたが、朝起きてみると 36度台後半。今回はタイレノールも飲まず、まぁ何とか軽い副反応で済んだのではないかと思う。

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