2019-01-01から1年間の記事一覧
天井が低すぎて、タクシーの社名表示灯(行灯)を壊すという逸話で知られるガード下トンネル、高輪橋架道橋を歩いてみた。たまたま外出先がその近くだったのだ。ここは東京都内で一番天井の低いガード下である。今までタクシーに乗って通過したことはあった…
絵画を理解するには、描かれた背景(美術史)、絵画の意味(モチーフやアトリビュートの意味)、造形(色・構図)について知る必要がある。秋田麻早子『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』は、造形について焦点を当てた本で、基本的なビジュアル・リテラシ…
実は東京都庭園美術館に行ったことがなかった。わりと現代美術系が多くて自分の興味を引く展覧会が少なかったからかもしれない。今回はエコール・ド・パリ(「パリ派」)の「キスリング展」ということで、初めて庭園美術館に出かけることとなった。本館新館w…
会社記念日のため半ドン。午後はフリーである。「東芝時代の同僚が動物園の園長に転身した!」というので、今勤めている会社の社長が千葉市動物公園の「視察」を提案、何人かの仲間と一緒に、久しぶりに動物園に行くこととなった。千葉市動物公園は、かつて…
根津美術館の「はじめての古美術鑑賞」展を観る。今年で4回目の企画ということだが、僕が行くのは2回目になるだろうか。今回は水墨画を中心に、そこに描かれているテーマが何かを扱っている。日本古来の物語、中国故事の人物など、その絵を理解するために必…
出光美術館がジョー・プライス氏の江戸絵画コレクションの一部を購入するというビッグ・ニュースが入ってきた!bijutsutecho.comr.nikkei.comwww.sankei.comジョー・プライスは、かつての日本では評価されていなかった伊藤若冲を発掘した人だ。建築家フラン…
週末の金曜日。会社帰りに「クリムト展 ウィーンと日本 1900」(東京都美術館)に行く。平日にもかかわらず、チケットを買って入場するまで20分もかかるくらい並んでいた(チケット待ちで並んでいる間にオンライン・チケットを買えばよかった)。会場内も混…
西岡文彦『五感でわかる名画鑑賞術』は、『簡単すぎる名画鑑賞術』の続編に相当する。前作はタッチの変遷に焦点を当てた興味深い鑑賞ガイドとなっていたが、本作は著者自身の個人的な経験をふまえたエッセイの要素も持っている。五感でわかる名画鑑賞術 (ち…
『いちばんやさしい美術鑑賞』はアマチュアならではの鑑賞ガイドがわかりやすかったが、逆に美術のプロフェッショナルが、中学生にもわかる簡潔で明快な絵画の読み解き方を指南する本がある。西岡文彦『簡単すぎる名画鑑賞術』。題名の通り、とても分かりや…
雨の土曜日。あいにくの天候にもかかわらず、クリムト展は混雑しているようだったので、行き先を変え、三井記念美術館の「円覚寺の至宝」展に出かける。ウェブサイトに掲載されている、この展覧会の内容は以下の通り: 本展覧会は、大用(だいゆう)国師200…
地元・横浜で開催されている展覧会を二つ紹介する。一つは横浜美術館で開催されている「Meet the Collection -アートと人と、美術館」。横浜美術館開館30周年を記念して、その所蔵する300点もの作品が展示されている。西洋美術、日本美術、版画、彫刻…。ダ…
毎年数値が悪化していくのが悲しい人間ドック。今年も受けてきた。今回は鼻からの胃カメラに加えて、肺CT、PSA、CA19-9、CEA マーカーをチェック。腎機能の低下、悪玉コレステロール、脂肪肝、石灰化、尿酸値などなど、要経過観察の項目はあるものの、幸い、…
年間300もの展覧会を観て、「青い日記帳」を毎日書くカリスマ・ブロガー Tak さんこと、中村剛士さんによる美術鑑賞の入門書が『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)である。玄人はだしでありながら、アマチュアならではの鑑賞ガイドがわかり易い。時…
あー、やってしまった…。母を見舞いに行った際、横になる母の背中を少し支えようと、何気なく中腰になった時に、ビリっ!とした痛みが腰に走った。一瞬目が眩んだように感じ、しばらく動かずにいたが、おそるおそる確認してみると、何とか動けるくらいの痛み…
僕のオフィスは芝公園近くにある。毎朝、目黒線から直通する都営三田線の芝公園駅で降りて、増上寺の近くを東京タワーを眺めながら歩く。このところ新緑が映えて気持ちいい。今朝は三田線が大幅に乱れており、本数も少ない。目黒線から南北線直通の急行電車…
トーハクの特別展「国宝 東寺 空海と仏像曼荼羅」。さすがに混んでいる。開館後 30分の10時過ぎに列に並び、実際に入場するまで40分かかった。空海はわずか2年間で密教を修めた。帰国後、823年、嵯峨天皇から東寺を賜り、そこを真言密教の道場とした。空海…
令和最初の美術鑑賞は、国立新美術館で開催されている「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展。あまり予備知識なく出かけたのだが、行ってみると19世紀から20世紀にかけてのウィーンの歴史、社会、文化、風俗を俯瞰することのできる大変興味…
諸般の事情から、エンタープライズ・アーキテクチャ(Enterprise Architecture, EA)を、今さらながら学んでいる。10数年前、2000年代中頃に流行った IT 戦略策定のフレームワークである。もともと僕は、ERP のような企業内の基幹系情報システムよりも、Web …
5月の連休を前に、ようやくスギ花粉がなくなったらしく、花粉症の症状が治まってきた。意外だったのは美術館。三菱一号館美術館に入ってしばらくすると、鼻がムズムズ、目が痛み始めた。美術館は作品保護のため、風を通さないのかしらん。観客によって持ち込…
平成最後の美術館巡りは、府中市美術館の「へそまがり日本美術」展。へそまがりな禅画。徳川将軍の下手だけど味のある絵。蘆雪、蕭白、若冲ら「奇想の画家」たちが緩く崩して描いた絵。「へたウマ」「ゆるカワ」な絵が楽しい。丁寧な解説を読みながら、肩の…
朝の連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニングは、日用品の中に人物のミニチュアを置く映像が印象的だった。その田中達也さんの「見立て」の世界観が楽しめる「センス オブ スケール展」が、横須賀美術館で開催されている。ちょっとした日帰りドライブも兼…
サントリー美術館で開催されている「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」は、デザイナーの佐藤オオキさん(NENDO)が提案する、日本美術の新たな楽しみ方を満喫できる展覧会である。作品の背景や作者の意図を知る左脳的なアプローチ…
19世紀、ラファエロを模範とする英国ロイヤルアカデミーへのアンチテーゼとして生まれた「ラファエル前派」。ラファエロより前の初期イタリア・ルネサンスの画家に倣った細密な描写を特徴とする。その支持者であるラスキンの素描と、ラファエル前派の主要な…
「令和」という新元号は、万葉集から発案されたそうだ。万葉集と言えば、中学・高校時代の古文の勉強にまでさかのぼることになる。古今和歌集や新古今和歌集と比べて、素朴な万葉集の歌に魅かれたのを思い出す。残念ながら、僕にはそれくらいの思い出しかな…
花粉症にビタミンDが効くという話は、やはり僕には当てはまらず。今年はルパフィンを寝る前に一錠飲み、朝出かける前に点鼻薬。そして一日数回、点眼薬をさす日々を過ごしている。僕の場合、目の症状がきつく、痛痒くなる。外出後、ひどい時は瞼が上下でくっ…
ふと目にとまった新聞広告。その絵に惹きつけられ、横浜髙島屋で開催されている「手塚雄二展」に出かけた。おそらく院展などで何度か拝見しているのだが、手塚雄二という名前をちゃんと覚えていなかった。明治神宮に奉納される前の屏風絵を限定公開する記念…
2月22日、「奇想の系譜展」(東京都美術館)に続いて、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展(サントリー美術館)を観た。前日の葛飾北斎に始まって、江戸時代、そして明治にかけての超個性的な絵師の作品ばかりを見て、結構「お腹いっぱい」になったとい…
関越練馬インターを降りてまもなく、「ポーン」という音とともに、ガソリンが残り僅かというオレンジの表示が点灯した。どうやら残り 9リットルを切ると点灯するらしい。横浜の自宅までは 40km 弱、レヴォーグの平均燃費 10-12km/l だと 100km は走れる勘定…
昨今流行りのドライブレコーダーを、愛車レヴォーグに装着した。前後を撮影できること、既存のリアビューカメラの映像を記録できること、EyeSight と干渉しないことなどを考え、スバル純正のドライブレコーダーを選んだ。実際のメーカーは、デンソーテン。ド…
念願の「奇想の系譜展」を観に、東京都美術館に行ってきた。期待以上に、見応え十分。 辻惟雄先生が『奇想の系譜』で紹介し、それを契機に日本でも改めて評価された画家たち、すなわち岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳、白隠、…