Muranaga's View

読書、美術鑑賞、ときにビジネスの日々

Book

『図解・首都高速の科学』で首都高の歴史や技術を学ぶ

首都高速 K7(北線・北西線)が開通した時の複雑な横浜港北ジャンクション(JCT)の図(動画によるシミュレーション付き)を眺めていたら、ブルーバックス『図解・首都高速の科学』を読み返したくなった。この本では、首都高速を紙上で擬似ドライブしながら…

「ダ・ヴィンチ没後500年 夢の実現」展に行く(代官山ヒルサイドフォーラム)

雪交じりの雨の寒い土曜日。代官山に「ダ・ヴィンチ没後500年 夢の実現」展を観に行く。500年前に亡くなったレオナルド・ダ・ヴィンチは万能の天才。画家として現存する作品は16点、完全な姿で残っているのは4点しかないと言う。レオナルド・ダ・ヴィンチ研…

ヨーロッパ美術史を辿ることができる「ブダペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年」展(国立新美術館)

国立新美術館で開催中の日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念「ブダペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年」展に行ってきた。日本とオーストリアとの国交もちょうど 150周年にあたり、「ハプスブルク展」も開催されたが、1869年当時、「オーストリ…

オランジュリー美術館:珠玉のギヨーム・コレクション「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展(横浜美術館)

会社休日は雨。運転免許証の更新処理を終え、一度行ってみたかった「果実園リーベル」 横浜ランドマークプラザ店にてランチ。たくさんフルーツが添えられたプレートと、ミックスジュースを楽しむ。果実園リーベルにてランチのあとは横浜美術館の「オランジュ…

予習してから観に行けばよかった「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」(国立西洋美術館)

秋の上野の美術館・博物館巡りの最後を飾るのは、国立西洋美術館の「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」である。「ゴッホ展」と「風景の科学展」を観た後、早めにランチを済ませ、正午前に西洋美術館に行ったのだが、チケット販売の列に …

風景写真を見て科学者は何を思うのか:「風景の科学展 芸術と科学の融合」(国立科学博物館)

絵の力に釘付けになった「ゴッホ展」を後にして、国立科学博物館に向かう。企画展の一つ、「風景の科学展 芸術と科学の融合」を観るためだ。グラフィック・デザイナーの佐藤卓が企画したユニークな写真展だ。www.kahaku.go.jp写真家・上田義彦が撮影した風景…

力強い絵に持っていかれてしまう「ゴッホ展」(上野の森美術館)

東京国立博物館の特別展「正倉院の世界」、東京都美術館の「コートールド美術館展」と、秋の上野の美術館・博物館巡りを続けている。今日は上野の森美術館、開館前の「ゴッホ展」の行列に並ぶところから始まる。開館 15分前にはかなり長い列ができていて「何…

Kindle 登場から7年、記念セールで買ってしまった本たち

Kindle が日本で発売されてから7年ということで、記念セールが行われている。新星出版社から出ている図鑑の価格が 98円 - 198円ということで、つい、次のような本を買ってしまった。世界自然遺産でたどる 美しい地球出版社/メーカー: 新星出版社発売日: 201…

「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(東京都美術館)

トーハクで特別展「正倉院の世界」を観た後は、早めのランチを済ませ、東京都美術館の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」へ向かう。多くの印象派・ポスト印象派の傑作が観られる展覧会なので、しばらく並ぶのを覚悟していたのだが、意外や意外、待ち行列…

安宅和人「知性の核心は知覚にある」:ファーストハンド、ハンズオンの経験を重視する

安宅和人さんがベストセラー『イシューからはじめよ』で次のようなことを述べていた。 一次情報を死守せよ。それを自分なりに感じよ。 現場でどこまで深みのある情報をつかめるかは、その人の判断尺度・メタレベルのフレームワークの構築力が問われる。ここ…

安宅和人『イシューからはじめよ』:重要な課題から取り組み、根性論に逃げないことを説く

「適切な課題を見つけるのが、プロフェッショナル」という話を聞いて、思わず「そうだよなぁ」とうなずく。目の前に問題が生じると、すぐに解決し始めようとする僕自身を改めて反省する。そこで改めて読み直した本がある。安宅和人『イシューからはじめよ』…

日本画コンテスト「Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 未来をになう日本画新世代」展

「みんなのミュシャ」展から少し足を伸ばして、山種美術館の「Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 ―未来をになう日本画新世代―」展に行く。「青い日記帳」で紹介されているように、45歳以下の若手の日本画家たちのガチンコのコンテストである。www.yamatan…

ミュシャの後世への影響を伝える「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ --- 線の魔術」展

渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ --- 線の魔術」展に出かける。 www.bunkamura.co.jp2017年に開催された「ミュシャ展」は、ベルエポックを代表するアルフォンス・ミュシャが、パリからチェコに帰…

上野の美術館巡り(2):「円山応挙から近代京都画壇へ」展(東京藝術大学大学美術館)

上野の美術館巡りは、国立西洋美術館の「松方コレクション展」から東京藝術大学大学美術館で開催されている「円山応挙から近代京都画壇へ」展へ。18世紀の京都で、円山応挙は「写生画」で一世を風靡し、円山派を確立した。中国の絵画や狩野派が主流の時代に…

上野の美術館巡り(1):国立西洋美術館「松方コレクション展」

国立西洋美術館で開催されている「松方コレクション展」に出かける。「松方コレクション」は、1896年に弱冠30歳の若さで川崎造船所の初代社長に就任した松方幸次郎が、1910-20年代にヨーロッパ各地で蒐集した美術品である。浮世絵約8,000点のほか、西洋絵画…

そごう美術館「北斎展」にて、『冨嶽三十六景』『富嶽百景』全作品をみる

横浜のそごう美術館で「北斎展」が開催されている。葛飾北斎の展覧会と言えば、今年の初めに行われた「新・北斎展」が圧倒的であったが、今回は複製画による展覧会であり、『冨嶽三十六景』全作品(ベロ藍を使った主版「表富士」36作品+墨で摺られた追加版…

眼鏡のレンズを新調した

久しぶりに高価な買い物をした。眼鏡のレンズだ。7年前に作ったデスクワーク用の眼鏡の度が合わなくなり、スマホの画面もわざわざ眼鏡を外して見ることがほとんどになった。Excel の細かい文字も眼鏡越しでは読むことができない。そんなこともあって、改めて…

重いボルタンスキー、美しい速水御舟

国立新美術館で開催されている「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」展を見る。まだご存命だが、大規模な回顧展であり、展覧会場そのものが、インスタレーションという位置づけになっている。展覧会の入り口には DEPART、出口には ARRIVE と表示されて…

「原三溪の美術 伝説の大コレクション」展を見る(横浜美術館)

横浜美術館で開催の「原三溪の美術 伝説の大コレクション」展を見る。本牧にある三溪園が好きでよく訪れているが、三渓園を開いたのが生糸貿易で財をなした実業家・原三溪(1868 - 1939)である。古美術の収集家、下村観山をはじめとする日本画家の支援者と…

目から鱗!『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』を読んで、絵画鑑賞の新たな視座を得る

絵画を理解するには、描かれた背景(美術史)、絵画の意味(モチーフやアトリビュートの意味)、造形(色・構図)について知る必要がある。秋田麻早子『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』は、造形について焦点を当てた本で、基本的なビジュアル・リテラシ…

東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」で、クリムトの美しい絵を堪能する

週末の金曜日。会社帰りに「クリムト展 ウィーンと日本 1900」(東京都美術館)に行く。平日にもかかわらず、チケットを買って入場するまで20分もかかるくらい並んでいた(チケット待ちで並んでいる間にオンライン・チケットを買えばよかった)。会場内も混…

『五感でわかる名画鑑賞術』にみる美術鑑賞の極意

西岡文彦『五感でわかる名画鑑賞術』は、『簡単すぎる名画鑑賞術』の続編に相当する。前作はタッチの変遷に焦点を当てた興味深い鑑賞ガイドとなっていたが、本作は著者自身の個人的な経験をふまえたエッセイの要素も持っている。五感でわかる名画鑑賞術 (ち…

美術鑑賞がますます楽しくなる『簡単すぎる名画鑑賞術』

『いちばんやさしい美術鑑賞』はアマチュアならではの鑑賞ガイドがわかりやすかったが、逆に美術のプロフェッショナルが、中学生にもわかる簡潔で明快な絵画の読み解き方を指南する本がある。西岡文彦『簡単すぎる名画鑑賞術』。題名の通り、とても分かりや…

恒例の人間ドック、今年は「みんなで筋肉体操」をして臨んでみたが…

毎年数値が悪化していくのが悲しい人間ドック。今年も受けてきた。今回は鼻からの胃カメラに加えて、肺CT、PSA、CA19-9、CEA マーカーをチェック。腎機能の低下、悪玉コレステロール、脂肪肝、石灰化、尿酸値などなど、要経過観察の項目はあるものの、幸い、…

『いちばんやさしい美術鑑賞』はアマチュアならではの視点がわかりやすい

年間300もの展覧会を観て、「青い日記帳」を毎日書くカリスマ・ブロガー Tak さんこと、中村剛士さんによる美術鑑賞の入門書が『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)である。玄人はだしでありながら、アマチュアならではの鑑賞ガイドがわかり易い。時…

令和最初の美術鑑賞は、国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」

令和最初の美術鑑賞は、国立新美術館で開催されている「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展。あまり予備知識なく出かけたのだが、行ってみると19世紀から20世紀にかけてのウィーンの歴史、社会、文化、風俗を俯瞰することのできる大変興味…

今さらながら、エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)を学んでいる

諸般の事情から、エンタープライズ・アーキテクチャ(Enterprise Architecture, EA)を、今さらながら学んでいる。10数年前、2000年代中頃に流行った IT 戦略策定のフレームワークである。もともと僕は、ERP のような企業内の基幹系情報システムよりも、Web …

「ラファエル前派の軌跡」を辿り(三菱一号館美術館)、その第二世代にあたるウィリアム・モリスの壁紙を鑑賞する(そごう美術館)

19世紀、ラファエロを模範とする英国ロイヤルアカデミーへのアンチテーゼとして生まれた「ラファエル前派」。ラファエロより前の初期イタリア・ルネサンスの画家に倣った細密な描写を特徴とする。その支持者であるラスキンの素描と、ラファエル前派の主要な…

万葉集と言えば…

「令和」という新元号は、万葉集から発案されたそうだ。万葉集と言えば、中学・高校時代の古文の勉強にまでさかのぼることになる。古今和歌集や新古今和歌集と比べて、素朴な万葉集の歌に魅かれたのを思い出す。残念ながら、僕にはそれくらいの思い出しかな…

上手すぎる!幕末から明治の奇想絵師「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展(サントリー美術館)

2月22日、「奇想の系譜展」(東京都美術館)に続いて、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展(サントリー美術館)を観た。前日の葛飾北斎に始まって、江戸時代、そして明治にかけての超個性的な絵師の作品ばかりを見て、結構「お腹いっぱい」になったとい…